平日 8:00~19:00。時間外、土曜日の来所
相談もお受けします。(要予約)
【後遺障害等級認定の手引】
保険会社から「症状固定」と言われたのですが、どのような意味なのですかという相談をよくいただきます。
「症状固定」とはどういう状態のことなのでしょうか。
症状固定とは、上記図のように傷病の症状の回復・改善が期待できなくなった状態を言います。
つまり「これ以上治療を続けても、良くもならないし、悪くもならない」という状態です。
残ってしまった症状を後遺症といい、後遺症が「後遺障害等級として評価されるものなのか」を手続きによって明らかにしていくことになります。
※一般的には症状固定により賠償期間が確定し、以後の治療費などは被害者の自己負担となります。しかし、治療ができなくなるということではありません。
症状固定日は、骨癒合の状態やリハビリ後の症状等によって人それぞれ異なり、あくまで患者様の訴え、症状等を踏まえ医師が診断するものです。症状について一番よく分かっているのは、被害者ご自身ですので、診察の中で医師と相談して進めていくのが一般的です。
後遺障害等級は1級から14級まであります。
自賠責保険における等級認定の際には、身体を10の部位に分けますが、1部位についても症状によって細分化されており(例:1下肢を5cm以上短縮したものは第8級5号、1下肢を3㎝メートル以上短縮したものは第10級8号、1下肢を1cm以上短縮したものは13級8号 )、全部で約140種類に分かれています。
また、後遺障害には、目にみえやすい後遺障害と見えづらい後遺障害とに分けることができると思います。
目にみえやすい後遺障害
目に見えやすい後遺障害は認定基準において数値化しやすい(たとえば、下肢が1㎝短縮した、両眼の視力が0.06以下になった、5歯以上に対し歯科補綴を加えた 等)。
目に見えづらい後遺障害
むちうち症のような目に見えづらい後遺障害(痛みやしびれ)は数値化できません。
交通事故被害者の症状のうち、多数を占めるむちうち症(痛みやしびれ)は「局部の神経症状」として評価されますが、「局部に神経症状を残すもの」であれば14級、「局部に『頑固な』神経症状を残すもの」となれば12級となります。
12級に認定されるにはレントゲン・MRI等画像検査や神経学的な検査等により他覚的に証明される必要があります。
一方14級は他覚的所見に乏しくても、病状経過や治療状況等によって、認定される場合があります。
いずれにしても「事故直後から症状を訴えているか」が、非常に重要であり、事故直後のできるだけ早い段階で医師の診察を受けることがとても大切です。
また、転院等する場合は、医師の紹介状を貰うのが安心です。
治療を続けたにもかかわらず、完治に至らず後遺症が残った場合、「後遺障害等級として評価されるものなのか」を手続きによって明らかにしていくことになります。
この後遺障害等級認定手続きには大きく分けて2種類あります。
1つ目は、加害者側の任意保険会社が行う「事前認定」、2つ目は、被害者自身が行う「被害者請求」です。
一般的に多く取られている手続きです。 後遺障害診断書を加害者の任意保険会社へお渡しするだけなので、手間がかかりません。 (その後、保険会社は損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所へ後遺障害等級の確認をします)
被害者は「自動車損害賠償保障法」(いわゆる自賠法)という法律によって自ら加害者側の自賠責保険会社に対して直接請求ができる権利を持っており、これを「被害者請求」(自賠法16条請求)といいます。 この被害者請求の方法で後遺障害の等級認定を求めることもできます。前述した事前認定とは違い、自身で行うため、透明性は高くなります。また、被害者請求においては、等級認定された場合、認定結果の通知と同時に、等級に応じた保険金の支払いを受けられるという利点もあります。 自賠責保険への被害者請求は専門家に依頼することもできます。
下記の表は横にフリックして全体を見ることができます。
被害者は異議申立て(再申請)手続きをすることができます。
また、異議申立ては、事前認定から被害者請求に切り替えて行うことも可能です。
申請後の調査については、「損害保険料率算出機構」自賠責損害調査事務所が行っております。
こちらは公平中立な機関で、労災に準拠した認定基準によって判断をしていますが、明確な認定基準がすべて明らかになっているわけではありません。
そのため、自分にとっては、どのような書類を準備すれば等級認定されるかを検討することは非常に難しいものです。
認定される可能性があるのにも関わらず、認定されなかった原因の多くは、単にこの資料不足によることが多いと考えられます。
たとえば、自賠責保険における等級認定の際には、医師が治療する上で普段は必要としない検査を求める場合があります。 具体例を挙げると、ひざの靭帯損傷によってひざにぐらつきの症状が出た場合、調査機関である自賠責調査事務所は、ストレス撮影という特殊なレントゲン撮影を要求します。 ところが、お医者様は通常の診察でわかる場合にはわざわざストレス撮影をする必要はないと判断されます。 このようなことは、どのような症状においても起こり得る可能性があります。
ヨネツボ行政書士法人は1998年創業以来、自賠責保険・後遺障害等級認定手続きの専門事務所として20年以上にわたり多くの被害者請求をサポートしてまいりました。 当事務所は、長年積み重ねてきた認定事例や経験から、自賠責保険における等級認定について熟知しており、それぞれの被害者にとって何が必要で重要な医療情報かを見極めることができます。 まず、当事務所では、過去の類似事例を参考に、どのような医療情報を収集すればよいのか、その検討を行います。 その上で、医師への照会等によって、後遺障害診断書の他、照会回答書等、事実証明書類を整え、被害者が等級認定を受けられるよう被害者請求を行っております。
等級認定をうけるための3つのポイント
POINT 1
後遺障害等級認定手続きには2つの方法があることを知っておきましょう。
POINT 2
医療情報不足にならないために、後遺障害診断書だけでなく補足資料が必要になる場合があります。
POINT 3
自身の大切な体や手続きのことは、ためらわず医師や専門家へ相談しましょう。